建築物における金属の薄板を使った工事、それが板金工事です。
雨どい、屋根、外壁など、様々な場所で目にする機会があります。
そこでこの記事では、板金工事の定義から種類、屋根工事との違い、必要な資格・許可まで、分かりやすくご紹介します。
板金工事について知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
□板金工事の定義と概要
板金工事は、金属の薄板を加工して建築物に取り付けたり、金属製の付属物を建築物に取り付けたりする工事です。
例えば、屋根、外壁、雨どい、ダクトなどが該当します。
建設業の29業種の一つに分類され、専門工事として位置付けられています。
そのため、工事を行うには建設業許可の取得が必須です。
□建築における板金工事の種類
板金工事には様々な種類があり、場所や用途によって工法や使用する材料が異なります。
代表的なものとしては、棟板金、谷板金、ケラバ捨て水切り、雨押え水切り、軒先水切りなどが挙げられます。
棟板金は屋根の頂部、谷板金は屋根面の交わるV字部分、ケラバ捨て水切りは屋根の端部、雨押え水切りは屋根と壁の接合部、軒先水切りは屋根の先端部にそれぞれ設置されます。
他にも、外壁の金属サイディングの取り付け工事や、厨房のステンレス内装張りなども板金工事に含まれます。
□板金工事と屋根工事の違い
板金工事と屋根工事は、しばしば混同されますが、明確な違いがあります。
板金工事は金属の薄板を扱う工事全般を指すのに対し、屋根工事は屋根全体を対象とした工事です。
屋根材が金属板の場合でも、屋根に施工する場合は屋根工事として分類されます。
つまり、板金屋根工事も屋根工事の一種であり、板金工事とは異なる工事なのです。
□板金工事に関連する資格・許可
板金工事を請け負うには、建設業許可を取得する必要があります。
許可取得には、経営業務管理責任者と専任技術者の配置が必須となります。
専任技術者となるには、1級建築施工管理技士などの資格保有者、または一定の実務経験が必要です。
また、建築板金技能士という資格も存在し、技能レベルの認定を受けることができます。
□板金の種類と特徴
板金には、様々な種類と特徴があります。
使用する場所や用途によって、素材、厚さ、表面処理などが選択されます。
例えば、耐久性が高いガルバリウム鋼板、錆びにくいステンレス鋼板など、それぞれの素材に適した特性があります。
これらの特性を理解した上で、適切な板金を選択することが重要です。
□板金工事の施工手順の概要
板金工事の施工手順は、工事の種類や規模によって異なりますが、一般的には、設計図に基づいた材料の選定、加工、取り付け、仕上げといった工程を経て行われます。
精密な寸法測定や、丁寧な施工が求められるため、熟練した技術が必要です。
□板金工事にかかる費用と期間の目安
板金工事の費用と期間は、工事の規模、使用する材料、施工場所などによって大きく変動します。
小さな修繕であれば数万円、大規模な改修工事であれば数百万円かかる場合もあります。
工事期間も、数日から数ヶ月に及ぶ場合もあります。
正確な費用と期間については、事前に業者に相談することが重要です。
□板金工事における注意点とトラブル防止
板金工事では、施工不良による雨漏りなどのトラブルが発生する可能性があります。
トラブルを避けるためには、信頼できる業者を選び、契約内容をしっかりと確認することが大切です。
また、施工後の点検やメンテナンスも重要です。
□まとめ
この記事では、板金工事の概要、種類、屋根工事との違い、必要な資格・許可、費用、期間、注意点などについて解説しました。
板金工事は専門性の高い工事であるため、信頼できる業者に依頼することが重要です。
雨漏りなどのトラブルを避けるためにも、適切な業者選びと契約内容の確認を徹底しましょう。
そして、定期的な点検・メンテナンスを行うことで、建物の寿命を長く保つことに繋がります。